学ランの由来と歴史について知ろう!

学ランは男子学生が学校で着用する衣服のことです。その特徴は詰襟という、首のまわりを筒状に覆って、襟の前をホックで留めて着用する男子学生用の制服のことです。そんな学ランの歴史は江戸時代に遡るといわれています。その歴史や由来、風習などについてご紹介します。

 

その歴史について

学ランの額は学生の「学」を表します。「ラン」の部分は「蘭服」(ランフク)を表し、詰襟の学生服限定の呼称だと考えられています。蘭とはオランダのことで、江戸時代には徳川幕府の鎖国政策で、西洋とはオランダのことを示していました。徳川幕府はキリスト教の伝来を恐れて、鎖国を行っていたのです。キリスト教は平等等考え方をモットーとしていたので身分制度をベースとする徳川幕府の政策とは合致しなかったのです。

学ランという言葉の語源は、学生用蘭服だといわれています。学ランの原型は1886年に、当時の帝国大学、今の東京大学が最初に導入したと言われています。

 

学ランの由来について

学ランは詰襟のことで、男子学生の制服です。学ランという言葉の由来については、学ランは誰かが商標登録したものでもなく、正式名称と考えられている言葉ではありませんが、なんとなく呼ばれる略称のようなものです。その根拠の断定は容易ではありませんが学ランという言葉が一般化したのは明治時代の頃だと言われています。

明治時代の初期には、西洋の文化を積極的に取り入れる動きが活発でした。当時相次いで設立された帝国大学や私立大学の学生たちが着用し始めた詰襟や帽子はエリートへのあこがれと反発のシンボル的な服だったと言われています。これまでの伝統的に寺子屋などで行われてきた読み書き算盤や儒学以外の学問も学ばれるようになってきました。例えば、法学や医学、教育学、理工系学などの洋楽系の学問などが新時代の学問として、積極的に学ばれていたのです。

しかし、そのような西洋系の学問を学生たちは蘭学と呼んでいました。これは当時のエリート意識の裏返し的な思想背景が影響していたとも解釈されています。そして、そのような蘭学を学ぶ学生自身が着るものを、やゆ的に蘭と学をひっくり返し、 学蘭と称するようになったという由来があります。このような由来で現在、男子学生の制服を学ランと呼ぶようになっていきました。

 

学ランの第2ボタンを好きな人に渡す風習の由来について

手をつなぐカップル
学ランには卒業式の時などに、制服の第2ボタンを好きな人にあげる風習がありますね。どうして第2ボタンなのかや、どうしてこのような風習ができたのかといった点については、次のようなことが分かっています。

制服の第2ボタンについて、制服が学生の誇りであり、学生の証であり、肌身に接していたものであることなどが由来していると言われています。また、第2ボタンは心に一番近い位置にあるということもあるのだそうです。小さな金属ボタンは変わらず大切にしてもらえるシンボル的要素があったからと考えられています。

この風習は、戦時中に遡ります。太平洋戦争時に、出征する学徒が好きな女性に自分の思いの伝わる大事なものを渡したいということで、第2ボタンを渡したのが始まりだといわれています。この話は、戦前に知られていたようでしたが、軍国主義の時代には公にされずに封印されていたそうですが、戦後しばらく経ってから、この学徒を教えた恩師の昔話をきいていた校長が感銘を受けて、生徒に話して聞かせたところから徐々に話が広がったといわれています。兄弟で同じ女性を好きになり、兄の妻である女性に弟が出征前に渡したのが制服の第2ボタンだったということです。

 

まとめ

中学校では、中高一貫校などを除き、今でも学ランを着用するようになっている学校は多くあります。現在でも6割の中学校が学ランを採用しているということです。しかし、高等学校になると8割がブレザーとなっていますので、学ランはマイナーな制服になっていきますが、学ランは今でも青春のシンボルであり憧れ的な意味合いをもつ言葉として使われているといえます。

学ランの歴史は1886年に、当時の帝国大学、今の東京大学が最初に導入したことに始まり、その時の学生服が学ランの原型と言われています。明治時代の初期は、西洋文化を積極的に取り入れる動きが活発な頃で、当時相次いで設立された帝国大学や私立大学の学生たちが着用し始めた詰襟や帽子はエリートへのあこがれと反発のシンボル的な服装でした。学ランは当時のエリート意識の裏返し的な思想が影響していたと言われ、そのような蘭学を学生自身がそう呼んだことが、学蘭と称するようになった由来だと言われています。

制服の第2ボタンを想う人に渡す風習については、制服が学生の誇りであり、学生の証であり、肌身に接していたものであることなどがその風習の由来だと言われていますが、変わらず大切にしてもらいたいという思いが込められたものであるといえます。

 

 

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